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02 旅立ち

[おくのほそ道,東京都,02 旅立ち,]

02 旅立ち(たびだち)

地図


千住大橋

原文


弥生(やよい)も末(すえ)の七日、あけぼのの空朧々(ろうろう)として、月はありあけにて光おさまれるものから、富士(ふじ)の嶺(みね)かすかに見えて、上野(うえの)・谷中(やなか)の花の梢(こずえ)、またいつかはと心ぼそし。

むつましきかぎりは宵(よい)よりつどひて、舟に乗(の)りて送る。

千じゆといふ所にて舟をあがれば、前途(せんど)三千里(さんぜんり)の思い胸(むね)にふさがりて、幻(まぼろし)のちまたに離別(りべつ)の泪(なみだ)をそそぐ。

  行(ゆ)く春や 鳥啼(なき)魚(うお)の 目は泪(なみだ)

これを矢立(やたて)の初(はじめ)として、行(ゆ)く道なを進まず。

人々は途中(みちなか)に立(た)ちならびて、後(うし)ろかげの見ゆるまではと見送(みおく)るなるべし。

[おくのほそ道,東京都,02 旅立ち,]

最終更新時間:2010年02月21日 21時34分05秒