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17 飯塚の里

[おくのほそ道,福島県,福島市,飯坂町,飯塚,17 飯塚の里]

17 飯塚の里(いいづかのさと)



地図


滝の湯跡入り口 滝の湯跡 飯坂温泉

原文


その夜飯塚(いいづか)にとまる。

温泉(いでゆ)あれば湯(ゆ)に入(い)りて宿(やど)をかるに、土坐(どざ)に筵(むしろ)を敷(しき)て、あやしき貧家(ひんか)なり。

灯(ともしび)もなければ、ゐろりの火(ほ)かげに寝所(ねどころ)をまうけて臥(ふ)す。

夜(よる)に入(い)りて雷(かみ)鳴(なり)、雨しきりに降(ふり)て、臥(ふせ)る上よりもり、蚤(のみ)・蚊(か)にせせられて眠(ねむ)らず。

持病(じびょう)さへおこりて、消入(きえいる)ばかりになん。

短夜(みじかよ)の空(そら)もやうやう明(あく)れば、また旅立(たびだち)ぬ。

なお、夜(よる)の余波(なごり)心すすまず、馬(うま)かりて桑折(こおり)の駅(えき)に出(い)づる。

遥(はるか)なる行末(ゆくすえ)をかかえて、かかる病(やまい)覚束(おぼつか)なしといへど、羇旅(きりょ)辺土(へんど)の行脚(あんぎゃ)、捨身(しゃしん)無常(むじょう)の観念(かんねん)、道路(どうろ)にしなん、これ天の命(めい)なりと、気力(きりょく)いささかとり直(なお)し、路(みち)縦横(じゅうおう)に踏(ふん)で伊達(だて)の大木戸(おおきど)をこす。

[おくのほそ道,福島県,福島市,飯坂町,飯塚,17 飯塚の里]

最終更新時間:2010年02月19日 22時24分08秒